請願否決!

今日は12月定例議会の厚生常任委員会審議。たくさんの点で発言しました。

まず、市民いこいの家条例の一部改正。これは、同施設のお風呂場をなくすという変更です。この問題では、これまで地元の市民のみなさんが存続を願って運動を繰り広げてきましたが、残念ながらとうとう廃止が決まってしまいました。

審議では、市側が「民間の温浴施設ができて必要性がうすくなったこと。施設の老朽化で大きな費用がかかること、高齢者の趣味活動のうち老朽化で使えなくなる春日山荘で行っていた教室を移転したいこと」などを理由として廃止すると述べましたので、私は「地元からは、高齢者の居場所として残してほしいという要望があるが、その要望にはどう答えるのか、民間の温浴施設には入浴後に語り合ったり憩いの時間を過ごせる設備がないが、そのニーズにどう答えるのか。福祉に費用がかかることが行政にとってマイナスであるように聞こえるがおかしいのではないか、高齢者人口は今後も増えるのに、高齢者向けの施設が全体として減っていくのは矛盾ではないか」などをただしました。

これに対して当局は、「福祉に費用がかかることをマイナスととらえるようなことはない。高齢者の居場所としてはサロンなどの開設も考えており、のちほど具体的に提案する。高齢者向けの施設としては、多様化するビーズに応えて民間の施設が増えてきているので、公共施設を増やす考えはない」などと答えました。確かにニーズは多様化してきていますが、それに応える施設を民間商業施設に頼るようでは、「カネがない人はおよびでない」てなことになりかねません。「多様なニーズに応えて増えてきている民間施設を活用することも大事だが、所詮営利を目的にしている。公共でしっかり保障することも必要だ」と指摘してました。

その他には、保育園の通園バスへの「置き去り防止装置」の費用が補正予算の一つとして提案されましたので、「装置の設置も重要だが、子どもの動向を二重三重にしっかり把握する行動こそが大事だ。保護者が自分の車に置き去りにした事故もあったが、そうした事故の防止には園が確実に子どもの動向を把握することが必要なので、その点が確実に遂行できるよう監督すべきだ」と指摘しました。

今回の補正予算には、エネルギー価格の高騰による公共施設の電気代ガス代の追加予算が計上されています。ところが、予算案を見ると、いくつかの施設で昨年までの3年間の平均と比べてガス代が60%以上もの増加になっています。確かに昨今のエネルギー価格の高騰は以上です。家庭向けのガス代もかなり上がってきており、この調子で来年春まで一本調子で上がっていくと、今年度のガス代はたいへんことになります。昨夜計算したところ、家庭用のガス代は、昨年までの3年間の平均と比べると42%も上がることが予想できました。

これ自体たいへんなことですが、家庭用が42%であるのに対して、公共施設は60%です。この差はどこから来るのでしょうか。

審議でただすと、価格高騰だけではない多の要因もあるとのことですが、それにしても、価格高騰に対する感覚が疑問です。市民の税金を預かって支払っているのですから、あまりにも大きな値上げであれば、なんとかならないかと交渉するというのが、ある意味で大事な「行政改革」ではないでしょうか。その点をただしたのですが、あまりはっきりした答えは返ってきませんでした。

さて、市長提案の審議の後では、請願の審査が行われました。

請願は、介護保険制度に関する意見書を採択です。意見書の内容は次の通り。

1.介護保険の利用に新たな困難をもたらす利用料の引き上げ、要介護1、2の生活援助などの保険はずし、ケアプランの有料化、貸与の福祉用具を購入に変更するなどの見直しを行わないこと。

2.全額公費により、すべての介護従事者の給与を全産業平均水準まで早急に引き上げること。介護従事者を大幅に増やし、一人夜勤の解消、人員配置基準の引き上げを行うこと。

3.利用者が安心して介護を受けることができ、介護事業所・従事者が不安なく介護を提供できるよう、新型コロナウイルス感染症対策を強化すること。

4.介護保険料、利用料、食費・居住費などの負担軽滅、介護報酬の改善など、介護保険制度の抜本的な見直しを行うこと。介護保険財政における国庫負担の割合を大幅に引き上げること。

どれも当たり前のことですので、多くの賛成が得られるものと思っていましたら、反対者が多く不採択となりました。

反対の理由として挙げられたのは、「全体としてうなずける請願だが、要介護1、2の保険外しやケアプランの有料化などは政府によって先送りになるとされている。また、他の項目の内容にはいくつかさらに検討しなくてならない問題を含んでいる」「介護保険制度は今後も持続させていかなくてはならないので、一定の見直しは必要」などの点ですが、意味がわかるでしょうか。明確な反対理由は私には理解できませんでした。

このままでいくと、介護保険制度はたいへんなことになることを危惧しています。サービス利用料が重くなれば、当然利用控えが出てきます。適切な介護を受けずにどんどん介護度が重くなったり死期を早めたりすることも考えられます。当然、医療にかかることも多くなり、医療現場もたいへんになります。まさに「保険料あれどもサービスなし」ということが現実化します。ぜひそのことを含めて考えてほしいと思います。

なお、民医連が解説した資料がありますので、是非ご覧ください。→クリック