自治体としての矜持を

もう寒い冬が到来したという今日この頃ですが、午前中は青空も広がり、空気が爽やかでした。

写真は、市役所からの景色です。東の青き山々の姿は、これからの厳しい季節を乗り越える元気を与えてくれるようです。

さて、今日は総務常任委員会の審議でした。

最初に行われた個人情報保護条例関係の審議では、とんでもない答弁がありました。

個人情報保護法の制定によって、いわゆる「条例リセット」で市の個人情報保護条例を一括改正する件で、わが党の橋爪議員が「どうしてパブリックコメントにかけなかったのか」とただしたのに対して、ある部長が、「基本的な認識を話すと、今回の法律改正は国会で議決され制定されたものであり、我々はその法律の枠内で行政を担当するので、法律の善し悪しを判断する余地はないと考えている」と言い放ったのです。

これでは完全に「思考停止」です。地方自治の本旨をまるで理解せず、「お上が決めたことに逆らうなんてとってもできない」とも言うような飼い犬根性と言われても仕方がありません。

これに対して橋爪議員が機敏に反論し、「もう議決事項だからどうしようもないという立場で進めると、国保であろうが何であろうが、議会はすべてその通りにしなきゃならないという話になる。それは違うのではないか。市民の権利を考えれば、これは大きな問題だから、やはりもう一度踏みとどまって考えるべきではないか」と指摘すると、副市長が慌てて言い訳し、「行政を担うものとして個人情報は当然守っていかなければならない。国の法律で決まったからそれを地方自治体も右倣えということでいいのかということではない。この間、介護保険や国保関係でも皆さんといろいろ議論し、一定、国の方針に従いつつ市独自の取り組みをこの間行ってきた。今後とも、この取り扱いについて、より慎重に取り扱っていきたい」と答えました。

これはある意味でまっとうな答。自治体は市民の暮らしにもっと近い行政機関として、国の悪政から市民を守る責務が課せられていますから、時には法律の欠けている部分や不合理な部分を市民の視線で補完して条例化したり運用したりと、柔軟に対応することが必要です。

変な答弁をした部長は、たぶん一番大事なことを一次的に何か勘違いしたものと思いますので、もう少し法務の基礎を学んではどうかと感じました。同時に、ぜひ自治体として矜持を身につけ、市民にとっての盾になってほしいと思います。