一般質問から

10月から高田図書館で開かれている小川未明展に、先日やっと行ってきました。それまでも図書館にはちょくちょく行くのですが、ついつい忙しさに紛れてまっすぐ階段を昇ってしまっていました。

あらためて未明の人生を見ますと、恵まれない生活におわれて自分を見失いそうになりながらも、「弱き者の為に立ち代辯なき者の為に起つ」こころを失わずに信念を持って生きてきた姿に心を打たれます。絶対主義天皇制の暗黒の時代に、この思いを貫くには相当の覚悟が必要であったことを考えると、一時体制に翻弄されかけたこともわかるような気がします。

さて、市議会は今日から一般質問が始まりました。

6人の同僚議員が、多彩な側面から質問を展開しました。「これは鋭い」というような質問や、??というような質問、それらに対して新情報になる答弁や、納得できない答弁など、実にいろいろです。

市長や当局とのやりとりの中で、いくつか気になったことを紹介します。

まず、市の職員の時間外勤務(残業)についてです。市長は、「業務が集中することもあり、時間外勤務が発生するのはある程度やむを得ない」と答弁しました。それでいいのでしょうか。

市役所の業務の中には突発的な災害への対応などもありますので、時として結果的に時間外勤務をせざるを得ない場面は出てくるでしょう。それを決して許さない、あってはならない、などというのは現実的ではありません。しかし、それはあくまで結果論であって、はじめから「忙しい時期は残業もやむなし」というような認識でいるとすれば、明らかに間違いではないかと思います。「忙しい時期は残業もやむなし」という状態なのであれば、それは仕事の量に比べて職員数が不足しているということですから、必要な職員数を確保するなどの是正が必要です。

実際、市役所では毎週水曜日と月末の金曜日は「ノー残業デー」を呼びかけていますが、それ自体、他の日は残業して当たり前という感覚でいることの現れです。これはなんとかしなくては思います。

答弁では、月100時間以上残業した職員が、一昨年は112人、去年は92人、今年は先月までですでに46人とのこと。過労死を生み出さないよう、すぐに手を打つ必要があるのではないでしょうか。

産前産後ヘルパーについての質問もありました。質問では、「ヘルパーを申請しても、『助けてくれる人はいないのか』と言われて心が折れてあきらめたという例や、夫が申請したら『産婦の申請でないとダメ』と言われた例、『日時がはっきりしないとダメ』と言われた例がある」との指摘がありました。

これはたいへんです。市長の答弁は、「サービス精神がないのは問題。力を入れたい」とのことでしたが、せっかくの制度がこれでは絵に描いた餅です。実態を調査して、こうした悲しい例は即刻なくすべきです。

学校の稲作体験についての質問もありました。8割の小学校で行われているとのこと。米どころ上越らしい教育です。教育長の答弁では、米作りを通してフードロスや飢餓の問題学ぶ機会になっているとのこと。生きた教育になっているのではないかと思います。教科学習など学校の本来の教育活動に支障が出ない範囲で大いに活かせればと思いました。