地域で自分らしく生きる

県健康福祉環境部主催の「上越地域精神保健福祉フォーラム」に参加してきました。

プログラムは、精神障がいを抱えた当事者の方2人のリカバリーストーリーの語りと地位活動支援センターの活動の様子のビデオの視聴です。

リカバリーストーリーは、当事者2人がこれまでの人生や現在に至る道筋がリアルに語られ、その苦労が偲ばれました。

最初のHさんは、40歳の女性ですが、「自分のやっていることに自信を持てずに、どんなことも行動できず、ぐるぐる同じところにとどまっているような状態だった」「あらゆることで状況判断に自信が持てないため、クルマの免許も取れないでいる」「他人と会話もできないでいた」という状態で、10年以上も引きこもり生活を経験したと言います。

その後、経済的困窮したことからハローワークに行くことがきっかけで相談機関につながり、いろいろなサポートを受けながらB型作業所に通えるようになったとのこと。

「面談する中で、外の人とつながれるように練習し、いつの間にか多くの人と話ができるようになってきた」と、今の思いを語っていました。

2人目のTさんは、27歳で発達障害の診断を受けるまで何もやってもうまくいかず、学生時代はバイトも解雇されたことがあるとのこと。就職先で、どんな仕事もまともにできないことから、ある病院で始めて診断を受け、障がいがわかったそうです。その後統合失調症であることも周囲の人の気づきがきっかけで診断を受けることができたとのこと。診断を受けることで、自分の状態がわかってある意味で安心したと言います。

それまでは、仕事がうまくいかないことなので、周囲の人からいじめられたりけなされたりと、ひどくつらい目に遭ってきたそうですが、「たいへんな目に遭った原因はたにんだが、ここまで助けてくれたのも他人だ」と、周囲の人を信じて頼ることをあきらめないという姿が印象的でした。

また、「表面上は障がいがわからないことで、職場にどもまで話したらいいのか、変に思われるのではないかと心配」と、本音も吐露していました。

そして、同じような心配をしている人には、「自分は一人ではないことを確信してほしい」と呼びかけていました。

精神的な困難を抱えている人は、なにかとたいへんな苦労をしていることが、今回のフォーラムへの参加でわかりましたが、同時に当事者の話を聞くことで身近にに感じることができ、「他人ごと」から少し引き寄せられたような気がします。