県福祉保健部は14日、「上越医療圏における医療再編に関する市民説明会」を開催しました。
会場となったレインボープラザには71人の市民が参加し、上越地域の医療再編の方向や、特に問題となっている労災病院の取扱について、県の説明を聞きながら、切実な声をあげました。
県の考えの説明を行った同部地域両政策課の菊池雅明課長は、「人口構造と入院医療二一ズの変化と医師の働き方改革の両者に対応しながら、医療の質を確保・向上していくためには、医師等の医療資源の効果的・効率的な活用が重要」として、地域ごとに中核の病院に意志を集中し、他の病院からは救急や手術の機能を無くすという方針を明らかにしました。(写真)
また、新潟労災病院に関しては、「医師数が減少して機能が低下してきているので、1~2年内に閉院する」としました。
これら県の説明では、上越地域の医師が不足していることが前提になっていますが、その根本問題である「医師不足をどのように解消するか」という点には全く触れられていません。
つまり、医師不足を解消する努力はせず、現在の医師が足りないゆがんだ状態をそのままにして、あちこちに医師を動かすだけの場当たり的な対策であると言わざるを得ません。
これでは、私たちの命も健康も守れません。
このことには参加した市民から一斉に反発の声があがり、説明会は予定の時刻を大きく超過する結果になりました。
市民からは、労災病院に関して、次の声が出されました。
◇ すでに閉院の方針が報道されたが、市民にはどうしてその前に説明しないのか。閉院ありきなのか。
◇ 労災病院がなくなると救急も通院もできなくなる。無くさないでほしい。
◇ 労災は医師が次々に減ってきたというが、どうしてここまで放置したのか。
◇ 労災は整形外科に特化した地域の病院として残る道はないのか。
◇ 閉院ありきで進んでいるようだが、夫は労災で11回手術した。つぎにははどこへ行けというのか。市民の気持ちを若手ほしい。
◇ 労災で命を救ってもらった。亡くなる都市地域バランスが崩れる。
また、医療再編に関しては、次の声が出されました。
◇ 救急を2つの病院に集約したら、この広い地域で急性の患者を助けることができるのか。
◇ 中央病院に医師を集めたら、他の病院がたいへんになるのではないか。
◇ 豪雪の際には、交通が遮断された。そのことを考えての再編なのか。
◇ 再編では通院がたいへんになる。それを保障する公共交通の構築を考えているのか。
◇ 地域の中核になる病院の中に労災病院を入れることができないのか。
◇ 今回説明したからと言って、次の段階に進めてはならない。県や国の姿勢が問題だ。すぐに結論を出すべきではない。
こうした市民の切実な声や鋭い指摘をもとに、これからの地域医療構築をめざして頑張ります。
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