私立高校と公立高校

 <私学助成増額の意見書を採択>

 今日は9月議会の最終日。
 議員発議として、私立高校の公費(私学助成)増額を求める意見書の提出が、全員一致で採択されました。
 私立高校は、学校教育法に基づいて公立高校と同じ公教育を担っている重要な存在です。多くの生徒たちが毎日生き生きと学んでいますし、地域には多くの卒業生が活躍し、街の活力になっているだけでなく、地域経済を支えています。
 ところが、私立高校には公立高校の半分ほどしか公費(私学助成)が注がれていません。そのため、私立高校にはいまだに授業料があり、その負担も保護者に重くのしかかっています。同じ税金を払いながら、私立高校と言うだけで授業料の負担があるというのは、憲法で保障されている教育の機会均等という概念からも不当です。そこで、私学では毎年関係者が署名運動を展開して、文科省に公費助成の拡充を求めているほか、自治体の議会に対しても請願を行って意見書の採択を要請しています。
 今日の意見書の採択は、こうした請願を受けてのものです。毎年、全会一致で採択していますが、政府はなかなかしぶとく、あまり公費助成を増やそうとしていません。また、県もあの手この手で私学助成を抑えたりゆがめたりしている動きがあり、油断がなりません。
 しかし、こうした運動の賜物として、運動が始まった50年前と比べると、比較にならないほど私学助成は増えています。手を緩めることなく運動を重ねて、公私の格差がなくなるようにしたいと思います。
<一部私学のやり方には疑問>
 さて、その私学ですが、最近は特定の運動部などの活躍が目立っています。例えば野球ではどの大会も決勝に残る学校は私学ばかり。私学の活躍には目を見張るものがあります。私がかつて勤務した学校でも、サッカー部が大活躍しているようです。
 こうした大活躍の背景には、「特待生制度」があるようです。特待生というのは、中学校で特定の種目のスポーツなどで優秀な成績を収めた生徒などを優先的に入学させ、入学金や授業料の納入を免除したり減額したりする制度です。中学で一所懸命頑張って良い結果を出した生徒は、高校でも青春をかけてがんばるというのは、ある意味で立派な姿でしょう。また、生徒にとっては、授業料は安くなるし、得意のスポーツに夢中になれるし、ということで、うれしいことでもあろうと思います。また、学校にとっても、優秀な生徒が入学して大会で活躍してくれることはうれしいことでしょう。
 しかし、ここで考えてみてください。彼らが免除された分の授業料は、誰が出すのでしょうか。上越市の私学への支援制度の中には、特色ある学校づくりの支援として、スポーツなどの奨学金制度への支援もありますが、それもたいした金額ではありません。となると、結局は他の生徒の授業料が、彼らの特待生としての優遇分にまわっているということになります。
 それを承知で、特待生の分も払ってやろうと思って入学する生徒も、いないとは限りません。しかし、多くの生徒はそんなことは意識しないままに、授業料を負担していることでしょう。
 いずれにしても、特待生の分は他の制度が払っているということになります。このことは、どう考えても解せません。いろいろ理屈をつけられるのかもしれませんが、どうにも納得できません。